このページの要点
- 規約は、運営者が会員に何を約束しているかを決めてから書く。交流型・教材配信型・相談付き型・無料の入口型で、約束の中身が違う。
- 約束していること(提供内容)と約束していないことを、条文の形で分けて書く。免責は、会員自身の判断の結果などに絞る(消費者契約法8条1項1号、10条)。
- 書類は、規約・ガイドライン・個別の同意事項の三層に分け、優先関係を規約に書く。規約が契約の内容になるには、会員との合意が前提(民法548条の2第1項)。
- 運営主体の名称・所在地・連絡先を示し、有償で会員を募るなら、通信販売の表示(特定商取引法11条、施行規則23条)が要るかを最初に確認する。
結論:規約は、条項を並べる前に「運営者が何を約束しているか」を決めてから書く
有料のオンラインサロンや会員制コミュニティの規約づくりで最初につまずくのは、条文の書き方ではありません。会員にいったい何を約束してお金を受け取るのか、という約束の中身が決まっていないことです。毎日の投稿を運営者が必ず読んで返事をするのか、場を用意するだけで会話は会員に任せるのか、月に決まった回数の配信やイベントを行うのか。ここが決まらないまま、「内容は運営者の裁量で変更できる」「責任は一切負わない」「返金はしない」という条項だけを重ねていくと、会員の側から見れば、何のために会費を払っているのかが分からない規約になります。そして、その分かりにくさは、争いになったときに、運営者の側の弱みとして返ってきます。
このページは、規約の個別の条項に入る前の全体像です。コミュニティの型の違い、約束していることと約束していないことの切り分け、規約・ガイドライン・個別の同意事項の三層構造、運営主体の示し方、規約が契約の内容になる条件を整理し、最後に、入会から終了までの各ページへの地図を示します。結論を先に並べると、次の四つです。
- コミュニティの型(交流型、教材の配信型、専門家への相談が付く型、無料の入口型)によって、運営者が約束している中身が違う。規約は、その型に合わせて作る。
- 「約束していること」と「約束していないこと」を、条文の形で分けて書く。約束していないことを書かずに免責条項だけを置いても、効力が及ばない場面がある。
- 書類は、規約(変更に手続が要る)、ガイドライン(運営の中で見直す)、個別の同意事項(申込み画面での確認)の三層に分け、優先関係を規約に書いておく。
- 規約が契約の内容になるには、会員との合意が前提になる(民法548条の2第1項)。申込みの画面で規約を示し、同意の操作を求め、同意の記録を残す。
なお、投資や副業の勧誘を中心にしたサロン、ファンクラブの会員規約、協会が会員を募る形の組織は、規制や論点が異なります。それらは別のガイドで扱い、このサイトでは、共通の関心で人が集まる会員制コミュニティの運営の設計と手順に絞ります。
コミュニティの型を四つに分けて、運営者が約束している中身を確かめる
同じ「オンラインサロン」という名前でも、会員が受け取っているものは大きく違います。規約を作る前に、自分のコミュニティがどの型に近いかを確かめます。型を決めておくと、後のページで扱う会費、退会、投稿の権利、措置、持ち出しの禁止の書き方が、型ごとに変わる理由が見えてきます。
コミュニティの四つの型と、運営者が約束している中身
交流型
会員どうしの会話そのものが価値の中心
- 運営者が約束するのは、場の用意と、荒らしへの対応
- 会員の投稿が価値の中心なので、投稿の権利と持ち出しの禁止が重要になる
- 運営者が答える義務を負うかどうかを、はっきり書く
教材配信型
運営者が作る記事・動画・資料が価値の中心
- 運営者が約束するのは、更新の頻度や量、アーカイブの閲覧
- 更新が止まったときの扱い、過去の資料を見られる期間を決める
- 教材の権利は運営者に残し、会員には私的な利用だけを許す
相談付き型
運営者や専門家への質問・相談ができる
- 運営者が約束するのは、質問への回答の方法と目安の時間
- 回答の内容を保証しない旨と、個別の事情には当てはまらない旨を書く
- 相談内容が他の会員に見える場合は、その範囲を決める
無料の入口型
無料の場で関係をつくり、別の商品へつなげる
- 会費はないので、運営者の約束は最小限になりやすい
- 有料化するときは、既存の会員に対する通知と同意の取り方を決める
- 入会金だけを取る形にするかどうかで、表示の要否が変わる
実際のコミュニティは、二つの型が混ざっていることが多くあります。たとえば、交流型を基本にして、月に数回の配信を付ける形です。混ざっている場合は、約束している部分ごとに、規約の条項を分けて考えます。
型を決める作業は、規約の条文を書く作業より前に、運営者の頭の中を整理するための作業です。確認の問いは三つあります。会員が毎月の会費で受け取っているものを、一文で説明できるか。その説明を、募集の案内(募集ページや紹介文)にも書いているか。運営者が休んだり、やり方を変えたりしたとき、会員は何を失うのか。この三つに答えられると、規約の「提供内容」と「変更・終了」の条項の骨格が決まります。
講座やコーチングにコミュニティを付ける形(付録型)では、主たるサービスの規約とコミュニティの規約を別に作る場合と、一つにまとめる場合があります。別にする場合は、どちらが優先するのか、コミュニティの利用期間は主たるサービスの期間に連動するのか、を書いておきます。この点は、後の「内容変更・終了」のページで詳しく扱います。
運営者が約束していること、約束していないことを切り分けて書く
会員が不満を持つのは、規約に書かれていないことを期待していたときです。「毎日返事がもらえると思っていた」「いつでも過去の投稿を見られると思っていた」「退会しても資料を使い続けられると思っていた」。こうした期待と実際のズレは、規約の「禁止事項」や「免責」では埋まりません。約束している中身を、まず肯定形で書き、そのうえで、約束していないことを否定形で書きます。
書き方の例(一般的な例) 提供内容と免責の書き方
提供内容
理由約束の中身が具体的なほど、会員の期待との食い違いが減る。「提供しないもの」をあわせて書くと、後で追加の対応を求められたときの説明の根拠になる。
免責
理由債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項は、消費者契約法8条1項1号により無効とされる。免責の範囲を、会員の判断の結果に絞って書く。
内容の変更
理由変更の自由を無制限に認める条項は、消費者契約法10条により無効とされるおそれがある。変更の範囲と通知の方法を示す。
条文の確認として、消費者契約法8条1項1号は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項を無効としています(e-Gov法令検索で確認)。また、同法10条は、民法の任意規定に比べて消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項で、信義則(民法1条2項)に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とします。会員が個人(消費者)の場合、免責や変更の条項は、この二つの条文を意識して書くことになります。会員が事業者の場合は、消費者契約法の適用がありませんが、民法548条の2第2項の不当条項規制は、定型約款にあたる規約であれば及びます。
確認の問いと理由約束の中身を決めるための確認の問い
会員は、毎月の会費で何を受け取るのか。一文で言えるか。
一文で言えないと、規約の提供内容の条項も、募集の案内の文面も、人によって読み方が変わる。
運営者は、会員の投稿や質問に、必ず返信するのか。目安は示すのか。
返信を約束すると、返信がないことが債務不履行と言われる余地が生まれる。約束しない場合は、その旨と、返信の方法(運営者が選んだ投稿だけ等)を書く。
配信やイベントの回数・頻度を決めているか。休むとき、どう扱うのか。
回数を示すなら、休んだ月の扱い(延期・振替・減額)も決めておく。示さないなら、示さない旨を書く。
過去の資料を、いつまで、誰が見られるのか。
退会後の閲覧、サービスの終了後の閲覧をあらかじめ決めておくと、退会・終了の場面で揉めにくい。
ここで決めたことは、規約の本文、募集ページの記載、申込み画面の表示の三か所に、同じ内容で現れるようにします。
規約・ガイドライン・個別の同意事項:三層の書類と優先関係
コミュニティの運営では、書類が一つで足りることは少なく、実際には次の三層になります。第一に、契約の根幹を定める「規約」です。会員との間の権利義務、会費、退会、禁止事項、措置、免責、変更、終了を定めます。第二に、日々の運営のルールを定める「ガイドライン」です。投稿のマナー、ハッシュタグや投稿先の使い分け、質問の仕方、ツールの使い方など、運営の中で見直す事項です。第三に、個別の「同意事項」です。申込み画面で確認を求める事項(自動更新の有無、年齢、規約への同意など)と、イベントや特典ごとに示す条件です。
三層の書類の役割と、変更のしやすさ
| 層 | 書く内容 | 変更の手順 | 会員に示す場面 |
|---|---|---|---|
| 規約 | 会費・退会・禁止事項と措置・投稿の権利・免責・変更・終了などの契約の根幹 | 周知期間を置き、変更の理由を示す。重要な変更は同意を取る努力をする | 申込み画面で示し、同意の操作を求める |
| ガイドライン | 投稿のマナー、投稿先の使い分け、質問の仕方、運営のお知らせの見方 | 運営の判断で見直せる旨を規約に書いておく。見直しは告知で足りる | 入会直後の案内と、コミュニティ内の固定の場所に掲示する |
| 個別の同意事項 | 自動更新、年齢、イベントごとの参加条件、特典ごとの条件 | 対象の申込みごとに確認を取る | 申込み・購入の画面と、確認のメッセージ |
三層に分けるときの要点は、規約の中に、優先関係を書いておくことです。たとえば、規約とガイドラインが食い違った場合は規約が優先する、個別の同意事項は、その範囲で規約に優先する、という具合です。この定めがないと、会員が「ガイドラインにはそう書いていない」と主張したとき、運営者が何を根拠に判断するのかが曖昧になります。
条文例書類の優先関係の定め
- 本規約は、運営者と会員との間の本サロンの利用に関する契約の内容となる。
- 運営者は、本サロンの運営に関する細則として、コミュニティガイドライン(以下「ガイドライン」という。)を定めることができる。ガイドラインは、本規約の一部を構成する。
- 本規約とガイドラインの内容が異なる場合は、本規約が優先する。ただし、個別の申込みに際して運営者が会員に示した条件がある場合、その条件は、当該申込みについて本規約に優先する。
- 運営者は、ガイドラインを変更するときは、変更後の内容と変更の日を、本サロン内で会員に知らせる。
これは書き方の例(一般的な例)です。金額・日数・回数は含めていません。個別の同意事項を規約に優先させる場合は、その同意事項が会員に明確に示される画面や書面で確認できるようにしておきます。
ガイドラインを規約の一部とするかどうかは、運営の方針で決めます。一部とする場合、ガイドラインの違反は規約違反となり、措置の根拠になります。一部としない場合、ガイドラインは「お願い」にとどまり、違反を理由とする措置は、規約の禁止事項の包括条項に頼ることになります。措置の根拠を明確にしたい場合は、一部とする構成が運営しやすくなります。措置の手順は警告・利用停止・除名の手順のページ、禁止事項と削除の運用は禁止事項・投稿削除・通報の運用のページで扱います。
運営主体の示し方:個人・屋号・法人と、通信販売の表示が要るかの入口
規約には、運営者が誰なのかを書きます。個人が屋号で運営している場合、法人が運営している場合、複数の人が共同で運営している場合で、書き方が変わります。契約の相手方が誰なのかが曖昧だと、返金の請求先、損害賠償の請求先、会員情報を管理する主体が不明確になります。規約の冒頭または末尾に、運営主体の名称、所在地、連絡先(問い合わせの窓口)を書くのが基本です。
次に、通信販売の表示です。インターネットで申込みを受けて有償で役務(サービス)を提供する場合は、特定商取引法上の「通信販売」にあたるのが通常です(特定商取引法2条2項)。通信販売をする事業者は、広告に、役務の対価、支払の時期と方法、役務の提供時期、申込みの撤回や解除に関する事項などを表示しなければならない(同法11条)とされています。そのほかの表示事項は主務省令(特定商取引法施行規則)で定められており、事業者の氏名または名称、住所、電話番号などが含まれます(同規則23条1号)。会員制コミュニティも、有償で会員を募る以上、これらの表示が必要かどうかを、最初に確認する必要があります。
このページで確認した条文
- 民法522条契約は申込みに対する承諾で成立する(同条1項)。契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を必要としない(同条2項)。
- 民法548条の2第1項・第2項定型取引の合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、または準備者があらかじめその旨を表示していたときに、個別の条項にも合意したものとみなされる。ただし、相手方の利益を一方的に害する条項は、合意しなかったものとみなされる。
- 民法548条の3第1項定型約款準備者は、定型取引合意の前、または合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合、遅滞なく、相当な方法で定型約款の内容を示さなければならない。
- 特定商取引法2条2項・11条通信販売の定義と、広告に表示すべき事項。役務の対価、支払の時期・方法、提供時期、申込みの撤回・解除に関する事項などが挙げられている。
- 特定商取引法施行規則23条法11条6号の主務省令で定める表示事項。氏名または名称、住所、電話番号などを定める。
- 特定商取引法41条特定継続的役務提供の定義。役務の性質上、その目的が実現するかどうかが確実でないものなど、法律と政令の定める要件をすべて満たす役務が対象になる。コミュニティであること自体で該当するわけではない。
特定継続的役務提供(特定商取引法41条)は、エステや語学教室のように、一定の期間を超えて継続的に役務を提供し、かつ一定の金額を超える対価を受け取る契約のうち、政令で指定された役務を対象にします。役務の内容が、身体の美化や知識・技能の向上などを目的とし、その目的が実現するかどうかが確実でないものであることが要件に含まれます(同条2項)。ただし、これに当たるかどうかは、法律に加えて政令で指定された役務に当たるかどうかで判断するもので、「勉強になるサロン」「スキルを高めるコミュニティ」というだけで当たるわけではありません。サービスの中身が政令で指定された役務に当たるかどうかは、条文と所管官庁(消費者庁)の資料で確認が必要です。ここでは入口として、このような制度があることだけを押さえておきます。
通信販売の表示の中で、会費の表示と自動更新の表示は、規約と表示の整合が特に問われる部分です。詳しくは会費・月額課金と自動更新のページで扱います。
規約が「契約の内容になる」条件:定型約款の入口
規約は、会員全員に同じ内容で適用されるのが通常です。民法は、不特定多数を相手に行う取引で、内容の全部または一部が画一的であることが双方にとって合理的なものを「定型取引」とし、契約の内容とすることを目的として準備された条項の総体を「定型約款」と呼びます(民法548条の2第1項)。会員制コミュニティの規約は、この定型約款にあたる場合が多いと考えられます。
定型約款にあたる規約は、会員が個々の条項を読んでいなくても、次の二つのいずれかを満たせば、個別の条項にも合意したものとみなされます。一つは、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。もう一つは、準備者(運営者)が、あらかじめ、定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときです。いずれの場合も、運営者が申込みの前に、規約を契約の内容とすることを会員に示しておくことが大事になります。
規約が契約の内容になるまでの確認の順序
- 規約を会員に示す申込み画面の中、または申込み画面から一つの操作で開ける場所に、規約の全文を置く。リンク先が消えたり変わったりしないよう、版を特定できるようにしておく。
- 契約の内容とする旨を表示する「規約に同意して申し込む」のように、申込みの操作が規約を契約の内容とする意思表示であることを、画面上で分かるようにする。
- 同意の操作を求めるチェックボックスや同意ボタンを設ける。利用開始の事実だけで「同意したものとみなす」書き方は、同意の時点があいまいになる。
- 同意の記録を残す申込み日時、同意した規約の版、同意の画面の表示を、後から示せるように保存する。
- 請求があれば内容を示す申込みの前、または申込みの後相当の期間内に会員から請求があれば、遅滞なく規約の内容を示す(民法548条の3第1項)。
利用開始をもって同意したものとみなす、という書き方は、規約の書き方としてよく見られます。ただし、利用の開始(閲覧や投稿)が、申込みや承諾の前に起きることがあり、いつ契約が成立し、いつ規約に同意したのかが食い違う場面が生じます。この点は入会申込みと承認制のページで詳しく扱います。
以降のページの地図:入会から終了までを、場面の順に整える
会員制コミュニティの規約は、会員の動きの順に並べると、書くべき事項が漏れにくくなります。入会する、会費を払う、使う、書き込む、ルールを守る、守られなかった、外に出された、やめる、サービスが変わる。このサイトのページは、この順番で並んでいます。
会員の動きの順に並べた、このサイトのページの地図
- 入会する申込み、承認、契約が成立する時点、年齢の確認。入会申込みと承認制のページ。
- 会費を払う月額・年額、入会金、無料期間、自動更新、値上げ、滞納。会費・月額課金と自動更新のページ。
- やめる退会の方法と締め日、日割りなしの定め、退会後に残るもの。退会・解約と返金のページ。
- 書き込む投稿の著作権、運営への許諾、他の会員の投稿の扱い。会員の投稿の権利のページ。
- ルールを守る・守られない禁止事項、削除、通報、段階的な措置、除名。禁止事項・削除・通報と警告・利用停止・除名のページ。
- 外に出されるスクショ・録画・共有リンクの持ち出しと守秘義務。持ち出し禁止のページ。
- 関係・情報・集まり・変更会員どうしの取引と紹介、イベントやオフ会、会員情報、内容変更と終了、トラブルの整理。営業・紹介、イベント・オフ会、会員情報、内容変更・終了、規約トラブルのページ。
各ページは独立して読めるように書いています。気になる場面から読み、このページの切り分けに戻って確認する使い方もできます。
この順序で規約を作ると、条文の抜けが分かりやすくなります。たとえば、「退会」の条項を書いたのに、「会費の請求の停止」の条項がなければ、退会した会員にも請求が続くことになります。「投稿の権利」の条項を置いたのに、「退会後の投稿」の扱いがなければ、退会後に自分の投稿を削除してほしいという請求に答えられません。各条項は、前後の場面とつながっています。
起きがちなこと:規約を作る段階で見落とされやすい点
規約の全体設計で、よく見られる見落とし
- 約束の中身が決まらないまま、禁止事項と免責の条項から書き始め、会員に何を提供するのかが規約から読み取れない。
- 募集ページの説明と、規約の提供内容の条項が食い違っている。募集ページで目立つ約束のほうが、後から問題になりやすい。
- 規約・ガイドライン・個別の同意事項の優先関係を書いておらず、どれを根拠に判断するかが運営者の中でも揃っていない。
- 運営主体の名称が、募集ページ、規約、決済の画面で異なっている(個人名、屋号、法人名が混在している)。
- 利用を始めたら同意したものとみなす、とだけ書いていて、申込みの画面での同意の操作と同意の記録がない。
- 規約の変更の手順を書いていないため、運営の途中で内容を変えたいときに、会員の同意を取り直す手段がない。
- 規約を作ったあとの見直しの時期を決めておらず、決済方法の変更やツールの切り替えに規約が追いついていない。
- 「コミュニティ」という名前だけで、特定の法令の対象外だと考えて、通信販売の表示の要否を確認していない。
これらの多くは、型を決める作業、約束と非約束の切り分け、三層の優先関係、運営主体の表示、申込み画面と同意の記録という、この全体像のページで扱った作業をしておけば避けられます。個別の条項の書き方は、各ページで続けて確認してください。
よくあるご質問
オンラインサロンの規約は、どの順番で作ればよいですか?
最初に、会員に何を約束するのかという提供内容と、コミュニティの型を決めます。次に、会費と退会、投稿の権利、禁止事項と措置、持ち出しの禁止、会員情報、変更と終了の順に、会員の動きに沿って条項を整えます。最後に、規約・ガイドライン・個別の同意事項の優先関係と、申込み画面での同意の取り方を整えます。
規約とガイドラインは、分けたほうがよいですか?
分けておくと運営しやすくなります。契約の根幹(会費、退会、措置、免責など)は規約に置き、投稿のマナーやツールの使い方のように見直しの多い事項はガイドラインに置きます。ガイドラインを規約の一部とする旨と、食い違いがあれば規約が優先する旨を、規約に書いておきます。
無料のコミュニティでも、規約は必要ですか?
会費がなくても、投稿の権利、禁止事項、削除や退会の措置、免責、会員情報の扱い、運営者が内容を変えたりやめたりする場合の定めは、運営の中で必要になります。無料の場は約束が少なくて済む分、規約も短くできますが、有料化するときに通知と同意を取り直す手順は、あらかじめ考えておきます。
規約を書けば、運営者の責任は免除されますか?
免除されません。会員が消費者の場合、債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項は、消費者契約法8条1項1号により無効とされます。また、消費者の利益を一方的に害する条項は、同法10条により無効とされることがあります。免責は、運営者が約束していない事項と、会員自身の判断の結果に絞って書きます。
通信販売の表示は、会員制コミュニティにも必要ですか?
インターネットで申込みを受けて有償で役務を提供する場合は、通信販売にあたるのが通常で、特定商取引法11条の表示が必要かどうかを確認します。会費の額、支払の時期と方法、提供時期、申込みの撤回や解除に関する事項などが表示事項です。具体的な事項は、同法施行規則23条と消費者庁の資料で確認してください。
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本ページは一般的な情報提供です。個別のコミュニティへの当てはめは、サービスの仕組みや会員との合意の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会